タイで従業員を雇用する場合、社会保険だけでなく、業務中のけがや病気に関する補償制度についても確認しておく必要があります。
タイの労災保険とは
労働者災害補償基金、いわゆる労災保険はタイにもあります。
従業員が一人でもいる場合、事業主に加入の義務が生じます。また、社会保険と同様に、雇用された日からの加入が義務となります。
就労中のケガや事故に対して支給される補償で、
- 療養補償(リハビリを含む)
- 休業補償
- 身体損失補償
- 障害補償
- 行方不明補償
- 死亡補償
などがあります。
日本との違いは、通勤災害補償がないことです。タイの労災保険は通勤時のケガや事故には適用されません。あくまでも、就労中のみのケガ、事故に適用されます。ただし、会社指示による直行直帰の場合は、適用される可能性があるとされています。
社会保険との違い
社会保険は、雇用主と従業員が半分ずつを負担し合いますが、労災保険は全額を雇用主(会社)が負担します。従業員に負担させることはできません。
また、納付は1年に1度行います。毎年1月末に、当年の保険料の見積もりを申告し、予納を行います。2月末までに、前年の給与支給の実績を報告し、過不足を確定させ、翌3月末までに精算をします。
社会保険が、月単位での対象に対し、労災保険の対象期間は1月1日から12月31日までの1年間となります。
保険料は、従業員の年間賃金総額をもとに計算されます。ただし、計算対象となる賃金には上限があり、従業員1人あたり年間240,000バーツまでとされています。料率は業種やリスクに応じて異なり、一般的に0.2%~1.0%の範囲で設定されます。
会社側がやるべきこと
就業中のけがや事故が発生した場合、会社はまず従業員が速やかに治療を受けられるよう対応します。そのうえで、社会保険事務所へ所定の様式および必要書類を提出します。
労働者災害補償基金に関する手続きでは、雇用主または委任を受けた者が、事故または業務上の疾病を知った日から15日以内に、所定の様式で社会保険事務所へ届け出る必要があります。
なお、事故の内容や発生状況によっては、追加書類や関係機関への報告が必要となる場合があります。実際の対応は、事故の内容、発生場所、治療状況により異なるため、社会保険事務所または専門家へ確認することをおすすめします。
まとめ
タイの労災保険にあたる労働者災害補償基金は、従業員が業務中にけがや事故、業務に起因する疾病などを負った場合に補償を受けるための制度です。
社会保険とは異なり、保険料は全額会社が負担します。また、対象となる事故や手続き期限、必要書類を正しく把握しておくことが重要です。
特に、就業中の事故が発生した場合には、従業員の治療を優先するとともに、社会保険事務所への届出や必要書類の準備を速やかに行う必要があります。
実際の対応は事故の内容や会社の状況によって異なるため、判断に迷う場合は、社会保険事務所または専門家へ確認することをおすすめします。
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